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怠慢mirenn所感

がんばるぞ

僕の好きな青空文庫

目次

青空文庫との個人的な出会い

 高校に入学した時に電子辞書を買ってもらいました、多くの今時の高校生もそうだと思います。

 CASIOのEX-word DATAPLUS5という高機能な電子辞書で、フルカラー表示であったり、手書き文字入力できたりついでに絵もかけたりしてという辞書です。やたらめったら色々なものが入っていて、いま開いてみると例えばサプリメント辞典とかスポーツ用語辞典とか、全然使った記憶もないしいったいどんなときに使うんだというものまで入っているデバイスです。

 必ずしも直接的に高校の勉強に関係ないものがその電子辞書の中に入っていて、そしてその一つに青空文庫がありました。

 僕のEX-wordには青空文庫から収録されている日本文学300作品が入っています。

 それが、僕と青空文庫との最初の出会いで最大の出会いです。

 

 一番青空文庫を読みふけったのは高校三年のときです。

 受験が迫っている、だから、勉強をしなければならない。それは至極単純な論理ですが、しかし、僕にはその単純な論理をつなげる動機はなにもなかったのです。高校三年のとき、僕には勉強をする動機がなかったのです、受験の先に何か強いモチベーションを促すものを見つけることが出来なかったしやっている内容自体にもまだ不慣れで面白さを見いだせませんでした。

 要は、早い話しが勉強に手がつかなかったということです*1

 無駄に気ばかりはやり、勉強しなければと焦るのですが手が付かない。そんなとき、僕は電子辞書を開いて青空文庫を読みました*2。部屋の中には娯楽という娯楽がないから、しょうがないので読んでいたという節もあります。

 僕は小説を読んで時間を潰すことで、自分の人生が緩やかに無限に落ちていくのを感じていました。苦しみながら救いを求めて読んでいた気がします。読んだらたちどころに元気が出て勉強に向かえるようなそんな小説を探していたのかもしれません。そんなもの、ないのですけどね。

 僕が知っているのは青空文庫のほんの一部です、辞書に入っていたものです、それも全部読み切ったわけではないです。*3

 そういうわけなんですが、青空文庫好きです。著作権フリーを公開しているのは素晴らしい試みだとかそういうことを抜いても、僕の中ではもう思い出として青空文庫がある特異な地位を占めています。

 青空文庫のほんの一部ですが強烈に好きだったものを5つを厳選して紹介して終わりたいと思います。青空文庫になかったら僕は読まなかっただろう作品たちです。

 

青空文庫になかったら読まなかっただろう作品たち

 太宰治 パンドラの匣

図書カード:パンドラの匣

  太宰治好きです、だけどなんだか太宰治って暗いなと思っていました。そうやって色々読んでいっているときにこの作品にぶち当たった時の感動はひとしおでした。なんて、素晴らしい希望! 生きていける気がします。

 

 坂口安吾 傲慢な眼

図書カード:傲慢な眼

 僕は往々にして青春感を感じさせてくれる短編に弱いようです。終わりの涼し気な感傷は当時読んだ時も胸を締め付けられて、そして、今読んでみても締め付けられます。

 

 有島武郎 一房の葡萄

図書カード:一房の葡萄

 まぁ、これもちょっと青春感を感じさせてくれる短編で、なんだかんだ在りし日のお話なんです。子供が先生の美しさを感じる話なんですが、共感しちゃうんですよね。 

 

 夢野久作 押絵の奇蹟*4

図書カード:押絵の奇蹟

 遺伝とは呪いだったのか、と、強く印象付けられた作品です。後々他の作品を読むときにもことあるごとにこれを思い出して、遺伝は呪いなのだ、と脳裏に焼き付いて離れません。

 

 林不忘 丹下左膳*5

図書カード:丹下左膳

 エンタメ系。新聞で連載していたとかで、お話を引き延ばすのがうまく毎回毎回盛り上がりがうわっと用意されています。そして、お話が終わるとなると急展開で終わります。

 終わりの方に近づくと、残りのページ数的にちゃんとこれ話終わるんかな? と思って不安になるんですが、すさまじいスピードでちゃんと終わります。

 丹下左膳という名のクソ野郎剣士が敵としてこの一巻で出てきて一旦お話が完結するんですが、丹下左膳の読者人気が高かったとかで丹下左膳の二巻が作られて、しかもなんだか丹下左膳がちょっと主人公向けに良い奴になっているというところも読んでて驚きです。丹下左膳という題名で、読んでみたら一巻では丹下左膳は主人公というか群像劇のうちのちょっと目立つ敵くらいでまずあれ? となって二巻でこいつ主人公に格上げかよ! という驚き。全部で三部作で、けっこう面白いですよ。

 

 とまあ、面白いのいっぱいあります。これにて今回は終了。

最近手慰みにちょっとじじくさく振り返って回顧な文を書いてしまいます。

*1:今でも好きではない科目の試験勉強のときそういう事態に陥るのでこれはきっと性格に起因するのでしょう

*2:高機能な辞書って言っても解像度の関係でガッタガタなフォントで読まざるを得なかったわけですが、今はPCがあればブラウザで整ったフォントで観れるようになっているんですね

*3:まぁ、300作品のうちわりと面白いものはそこそこ読めたかなくらいにはなったとその頃は思ってたんですが、今確認したら読んでないのも結構ありました。

*4:今手元にあるEX-word DATAPLUS5を確認したら入ってなかったので、妹の新しいほうの電子辞書を借りて読んだのだと思います、そっちは日本文学1000作品だったので

*5:これも妹の電子辞書をかっぱらって読んだっぽい